[お酒の紹介]
2024年02月18日
【シングルモルト駒ケ岳 [1988] 29年】マルス信州蒸留所の歴史的な遺産
信濃屋10周年を祝うため、プライベートボトリングシリーズ第7弾として、1988年にマルス信州蒸溜所で蒸溜された、本坊酒造株式会社が贈る「駒ヶ岳 シングルモルト」の29年熟成原酒がリリースされました。同蒸留所は、1992年から2011年までの約19年間、一時的な蒸留休止という苦難の時期がありました。このボトルは、その休止前に生まれ、苦難の時代を乗り越えた非常に希少な原酒です。
1985年に、最適なウイスキー造りの環境を求めて、長野県中央アルプスの駒ヶ岳山麓、標高798mの場所に建てられ日本で最も高地にある蒸留所が設立されました。この地は冷涼で霧が深く、3000m級の山々に降り注ぐ雨や雪解け水が花崗岩土壌を通り抜け、天然のミネラルを豊富に含んだ高品質な水となります。
アメリカンオークで製造されたアメリカンホワイトオークカスクが使用され、ウイスキーの熟成には希少なモルト(原酒)が用いられています。ホワイトオーク樽がもたらすオークの香りと、果実感豊かなフルーティーな味わいは、一口含むだけで言葉を失うほど深く、長い余韻を楽しむことができます。
1872年に創業したマルス信州蒸留所を所有する本坊酒造株式会社は「地域文化の継承と確信」を経営理念とする酒造会社です。
今回のラベルには、信州の伝統と文化を広く発信するため、葛飾北斎が信州で手がけた東町祭屋台天井絵「龍図」が北斎記念館様との継続的な交渉の末、特別に使用許可を得て採用されました。
テイスティングノート
信濃屋スピリッツバイヤー北梶氏によるテイスティングノートです。
【香り】バニラ、トロピカルフルーツのフーセンガム、乾燥茶葉、徐々にリンゴや洋梨のエステリーな香り、樺の木と軽いスモーク。
【味わい】口に含むと、甘いオーク、カスタード、大麦糖、アップルパイ、熟したバナナ、アプリコット、マーマレード。ウッディでフルーティーな味わいと共に心地良い熟成感を感じる。
【フィニッシュ】フィニッシュはバナナの渋皮、ジンジャー、オールスパイス、甘みを伴いながらもビターでスパイシーに長く続く。
【コメント】ジャパニーズの長期熟成独特の多彩で濃密なフレイバーと展開力は圧巻、旧時代の遺産を体感して下さい。