[お酒の紹介]
2024年03月08日
【スプリングバンク】モルトの香水と称されるウィスキー
スプリングバンクとは
スプリングバンクは、ウイスキー初心者にはあまり知られていないかもしれませんが、その独自で強烈な個性がウイスキー愛好者には愛されています。アルコール感が強く、スパイシーでクセのある味わいが特徴です。このウイスキーは、初心者よりも既にウイスキーを楽しむ経験のある方にとってはまさに通好みの味わいと言えるでしょう。
スプリングバンク蒸溜所とは
スプリングバンク蒸溜所はキャンベルタウンに位置し、大西洋に面しています。キャンベルタウンは、スコットランドの南に位置するキンタイア半島にあり、かつては漁業や造船業で栄え、ウイスキー製造も重要な産業の一環でした。この地域には約400年以上も前から蒸溜文化が根付いており、かつては数多くの蒸溜所が存在していました。
この地域は入り組んだ海岸線と霧が多い環境が特徴であり、その影響がスプリングバンクのウイスキーに反映されています。霧に含まれる潮気が特有の潮辛さを生み出し、スプリングバンクのウイスキーに独自の風味を与えています。この海洋の要素が、ウイスキーの味わいに深みと複雑さを加えているのです。
スプリングバンクの製法
スプリングバンク蒸溜所は、製麦からボトリングまでの全工程を蒸溜所内で一貫して管理している貴重な蒸溜所です。他の蒸溜所では一部の工程を外部で委託することが一般的ですが、スプリングバンクは全てのプロセスを自社で行うことが、その独自の味わいを生み出している要因とされています。特に、麦を発芽させる際に行う「フロアモルティング」では、麦芽同士の絡みつきを防ぐために手で行うシャベルでのかくはんと酸素供給が特徴的です。この手作業のフロアモルティングは他の蒸溜所ではなかなか見られない方法で、スプリングバンク独自の製法となっています。
スプリングバンクの特徴
レモンやオレンジ、ピーチなどの果物の酸味や爽やかさが感じられ、複雑で重層的な味わいがしっかりと組み合わさっています。香り高いアロマを楽しみながら、ピリッとした潮気と苦みが後に残る長い余韻が魅力の一つです。1度飲んだらまた飲みたくなると言われる、その独特な味わいは、ウイスキー愛好者たちを虜にしています。
豊かな香りを十分に楽しむためには、まずはストレートでじっくりと味わってみることがおすすめです。また、加水やオンザロックで味の変化を楽しむこともできます。スプリングバンクはその多彩な表情で、ウイスキーの新しい発見を提供してくれるでしょう。