[お酒の紹介]
2024年08月09日
【モートラック】「ダフタウンの野獣」と呼ばれるウィスキー
モートラック蒸留所
モートラックウィスキーは、スコットランドのスペイサイド地方に位置するモートラック蒸留所で生産されるシングルモルトウィスキーのブランドです。1823年に創業したモートラック蒸留所は、ダフタウン初の合法蒸留所としてスタートしました。
創業当初はオーナーが何度も変わり、経営は安定しませんでしたが、1853年にジョージ・コーウィーが新しいオーナーとなり、蒸留所の発展に尽力しました。彼はエンジニアや技術者としての視点から、最高品質のシングルモルト・スコッチを作りたいという思いを持ってウィスキー作りに取り組みました。
その後、ジョージの息子アレクサンダー・コーウィーがロンドン大学の薬学部で学び、薬学の知識を活かして独自の「2.81回蒸留」という製法を開発しました。
アレクサンダーの引退後、蒸留所はジョニー・ウォーカー&サンズ社に売却され、現在はモエ ヘネシー ディアジオ株式会社(MHD)が蒸留所を所有し、製造・販売を行っています。
特徴
モートラックウィスキーの仕込み水には、コンバルヒルの泉の水が使用されています。
モートラックの最大の特徴は「2.81回蒸留」です。通常のスコッチウィスキーは2回の蒸留を行いますが、モートラックでは特有の「2.81回蒸留」という中途半端な回数の蒸留を採用しています。
モートラック蒸留所には、3基の初溜釜と3基の再溜釜があり、この「2.81回蒸留」のプロセスは非常に複雑です。この工程を完全に理解するためには、熟練の職人でも半年以上の時間が必要だと言われています。
しかし、この複雑な工程を経ることで、時間をかけゆっくりウイスキーが冷やされるため豊かな風味が原酒に残るといわれています。モートラックは他にはない力強さや複雑な風味を持つウィスキーを生み出しています。
おすすめのラインナップ
●モートラック12年
甘くスパイシーで、モートラック伝統のミーティーさを感じさせる圧倒的な芳醇さと力強さを持っています。ヨーロピアンオーク樽とアメリカンオーク樽の両方で熟成され、オーク材に苺ジャムを塗ったかのように豊かで深みがあります。また、力強いバニラ、レーズン、カカオの甘い香りも特徴的です。
●モートラック16年
モートラックならではのフルボディで野性的な力強さが特徴です。味わいは力強いフルボディでありながらその後にライトな感じもあり、ファーストフィルおよびリフィルのヨーロピアンオーク樽のみで熟成されることで、芳醇さと華やかなフルーティーさが際立っています。
●モートラック25年
25年以上熟成された原酒が用いられています。心地よい酸味とハーブの香りが広がり、奥には黒胡椒のスパイシーなアクセントが感じられます。ローストアーモンドやバニラクリーム、そして香水のように優雅なアロマも堪能できます。