[お酒の紹介]

2024年10月11日

歴史

　ルイ・ロデレール クリスタルは、1876年にロシア皇帝アレクサンドル2世のために特別に作られたシャンパーニュです。アレクサンドル2世は、他の製品と差別化された特別なシャンパーニュを求め、ルイ・ロデレール社に依頼しました。その結果、世界初の透明なクリスタルガラス製のボトルに詰められたシャンパーニュが誕生しました。また、皇帝の要望でボトルの底は平らに作られ、爆破のリスクを減らすための工夫が施されました。
　この特別なシャンパーニュ「クリスタル」は、当初ロシア皇室やヨーロッパ貴族の間で人気を博し、その後もルイ・ロデレールの象徴的な製品として受け継がれています。特に20世紀後半には、アメリカや国際市場でも人気が高まり、セレブリティや上流階級の間で広く愛される存在となりました。特に音楽業界やハリウッドでの人気は高く、ラグジュアリーなシャンパーニュの代名詞として知られています。
　今日、クリスタルはルイ・ロデレール家によって製造され続けており、自社所有のグラン・クリュ畑で厳選されたブドウを使用して作られています。通常、6年以上の瓶内熟成を経てリリースされ、その希少性と高品質が保たれています。

特徴

　クリスタルは、ルイ・ロデレールが所有するグラン・クリュ（最高級畑）から厳選されたピノ・ノワール（約60％）とシャルドネ（約40％）を使用して作られています。自社畑でオーガニックに栽培されたブドウだけが使用され、その高い品質が常に保たれています。また、クリスタルは最低6年間瓶内熟成され、さらに8か月以上の後熟成が行われることで、深みのある味わいとシルクのような滑らかな質感が生まれます。
　味わいは非常に繊細でエレガント微細な泡がシルクのような滑らかな口当たりを生み出し、豊かな果実味がトーストやナッツの風味とともに広がります。塩味を感じさせるシャープなミネラルが、全体の味わいに上品さを加え、深みのあるコクも感じられます。豊かな酸味が全体を引き締め、複雑な風味に上品な蜂蜜の甘さが調和し、余韻が長く続きます。熟成が進むにつれて成分が一体となり、熟した果実やブリオッシュ、カラメルの甘く香ばしいニュアンスが強まり、妖艶で魅惑的な味わいが飲み手を包み込みます。
　さらに、ルイ・ロデレールは近年、ビオディナミ農法によるエコフレンドリーな栽培に取り組んでおり、持続可能な方法で栽培されたブドウが使用されています。

　クリスタルは、ロシア皇帝のために生まれた歴史と、洗練された味わい、そして特別な価値を持つシャンパーニュとして、現在もなお世界中で愛され続けています。