[横浜のお酒買取]
2021年09月16日
ウイスキーのエンジェルシェア
ウイスキー蒸留所にてよく耳にする「エンジェルシェア」という言葉は、そもそもどのような意味でしょうか。
「エンジェルシェア」は、日本語で「天使の分け前」と訳され、
ウイスキー貯蔵されている間に失われた(蒸発)一部のことを指しています。
貯蔵する木材が空気を取り込んでは放出するため、水だけではなく、アルコールの一部もともに減っていきます。
そのように繰り返し、ウイスキーと樽の木の成分が溶け合いながら、深い味わいのウイスキーを仕上げるため不可欠なことでもあります。
またウイスキーだけではなく、ワインやブランデーなど樽熟成を行う全てのお酒で起こる現象です。
ではエンジェルシェアが何で左右されますでしょうか。
貯蔵している気候
寒暖差や湿度の変化などによって、ウイスキーの蒸発にもっとも影響されます。
スコットランドの気候はより涼しくて、貯蔵するウイスキーは年間2%〜3%程度蒸発されているという。それに対して、米国の南東部のケンタッキー州では、夏の間倉庫の最上階の温度は50℃〜60℃にまで上がることがあり、そのため、熟成初年度は10%〜18%という驚きな減量があります。
樽のサイズ
樽のサイズは、液体が樽の木材と接触する度合いに関係します。そのため、より小さい樽に貯蔵さたウイスキーは接触面が大きいから、より多く蒸発します。
原酒の貯蔵年数
一般的に言えば、原酒は若い時はより早く蒸発し、歳を重ねるにつれて遅くなります。ウイスキーが樽に入れられた最初の時は、エンジェルシェアは最も高く、毎年約3.5%から4%になります。20年ものスピリッツは40%を失うこともあります。
貯蔵方法
空気の流れも蒸発に影響を与えます。樽はパレットの上に保管されることにより、空気が樽の周りを循環するため、より多くの蒸発が起こります。
エンジェルシェアが原酒の量を減らすことだけでなく、熟成して風味をつける役割にもあります。
またアルコールを蒸発とともに、水の量がより多く減りますので、相対的にアルコール度数も上がります。
現在特に日本ウイスキーブームの背景で、貯蔵環境や樽サイズなどをコントロールしてウイスキー熟成を促すメーカーも見られています。結果的にはより多くエンジェルシェアを取られています。