私は自分の会社を設立し、定年まで勤めましたが、息子に跡を引き継ぎさっぱり引退して海外へ移住することを早くから決めていました。
ハワイとパリに別宅を持っているので年に半分ずつ暮らすのが今の計画です。それに先立ち、都内の自宅を長く留守にするのは用心が悪いため管理会社が常駐しているマンションに越すことにしました。
日本で余生を送ろうとした時には戸建てよりもマンションの方が便利だろうと思ったからです。
荷物が多いため、業者に片づけを依頼し、整理してもらっていると、スタッフの方から「これはどうしましょう」と相談されたのは箱に入った品物で、中を順番に開けていくと様々な場所で頂いた花瓶や皿、グラスのセットや置物、加えてお酒のボトルもありました。
妻が好みでなかった品物が箱に入れたまま仕舞ってあったようで、業者が買取してくれると言うので査定頂き、後に支払額との相殺をすることに。家具類や骨董品でも不用な物は買取してくれるそうなので、私どもは必要な物を選別していくだけでした。
お酒の入っている箱は3つあり、一つは、「山崎25年」残り2本はワインのロマネコンティです。息子に電話するとロマネは欲しいと言うのであげることにしましたが、ウィスキーは誰も飲みません。
息子が処分せずにとっておいてと言うのでそうしました。業者のおかげで負担なく片付けが終わり、不用品もきれいに搬出してくれて、私達のマンションへの引越し準備も完了。
その間に息子が横浜のお酒買取店へ山崎25年の買取査定額を聞いてくれたようで、その査定額にびっくりしました。買取してもらうことを決め、自宅へ出張買取に来てくれた日、スタッフの方がボトルを見て目を丸くされたので「やっぱり見積りの時に高く言い過ぎたと思われているのだろう」と思いましたが、その逆で、25年物の中でもベロアケース入りは特に希少で高額取引されているとのこと。
そこで付けられた額は初めの見積もりの倍でした。現金買取でその場で頂いた際には現実感がなく、妻も驚きっぱなし。あのボトルは頂き物ですが、このようなサプライズを定年後に貰うとは夢にも思わず大変感謝しています。