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2024年02月27日 [お酒の紹介]
【ポートエレン】幻のウイスキー
ポートエレンとは
ポートエレンは、以前スコットランドのアイラ島に存在していた蒸留所の名称でした。同蒸留所で製造されたシングルモルトウイスキーも「ポートエレン」と呼ばれていました。アイラ島はスコットランドの主要なウイスキー産地であり、その中でも6つの主要産地に含まれています。ポートエレン蒸留所はアイラ島のポートエレン港近くに位置し、1825年に創業されて以来、100年以上にわたり伝統的なウイスキーづくりを行ってきた歴史ある蒸留所です。
ポートエレン蒸留所は、20世紀のウイスキー人気低迷の影響を受け、1929年に一度操業停止となりました。その後、1967年に再開されましたが、1983年に惜しまれつつ完全に閉鎖されました。1983年以降、ウイスキーの生産は行われておらず、原酒は当然ながら限りがあり、また熟成年数が長くなることでその価値も年々高まり、現在では“幻のウイスキー”と称されています。この熟成の長さと希少性が相まって、ポートエレンの価値は着実に上昇し続けています。
ポートエレンの味わい
ポートエレンの原酒は、アイラモルトらしいスモーキーでピーティーな香りを発し、その香りはウイスキーに移されます。なおかつ長い熟成年数によって複雑な甘みやオイリーさが加わり、口に含むとピートの香りが広がり、その奥に海の潮気も感じられるとのことです。この独特な香りは、ウイスキーファンにとって楽しい特徴の一つであり、強いクセを楽しむ要素となっています。
ポートエレン復活
閉鎖されていたポートエレン蒸留所が25年の歳月を経て、復活の兆しを見せ、ついに2024年3月にリニューアルオープンされます。ディアジオ社が正式に発表したところによれば、新しい蒸留所のマネージャーには、キルホーマン蒸留所やカリラ、ラガヴーリンのブランドで実績を積んだアレキサンダー・マクドナルド氏が就任することとなります。
ディアジオ社はポートエレン蒸溜所のリニューアルオープンに先駆けて「ポートエレン ジェミニ」のリリースを発表しました。使用されるウイスキーは、1978年に蒸留されました。3つのヨーロピアンオーク樽で熟成、その後、モルトを分割して2つの異なる方法で熟成されました。
伝説の蒸溜所の復活は、まさにウイスキー愛好者や業界にとって待ち望まれていた瞬間でしょう。ポートエレンの伝統的な味わいを踏襲しつつも新しい展開を積極的に行って、期待が高まります。