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2024年06月03日 [お酒の紹介]
【タリスカー】潮風を飲むシングルモルト
概要
スコットランドのスカイ島に位置するタリスカー蒸留所は、シングルモルトウイスキーを製造しています。現在、ジョニーウォーカーで知られるディアジオが所有しており、タリスカーのウイスキーは潮風の香りと黒胡椒のようなスパイシーな風味が特徴です。以前は慢性的な水不足に悩まされていましたが、数年前に海水を利用した冷却システムを導入したことでこの問題が解決しました。その結果、生産能力が年間最大190万リットルから330万リットルに大幅に増加しました。これに伴い、販売数量も急増し、現在では年間300万本が世界中で販売されています。タリスカーは日本でも非常に人気のあるブランドです。
名前の由来
「タリスカー」は、ヒュー・マカスキルとケネス・マカスキルという兄弟によって創設されました。彼らはスカイ島の近くにあるエッグ島から来ており、当時スコットランド本土で盛んだったスコッチウイスキーの製造に目をつけて、スカイ島に蒸留所を設立しました。蒸留所の建設中に滞在していたタリスカー・ハウスが、「タリスカー」という名前の由来です。ちなみに、「タリスカー」という名前は古代ノース語で「傾いた大岩」という意味があります。
製法
「タリスカー」の発酵に使用されるウォッシュバック(発酵槽)は、昔ながらのオレゴンパイン(オレゴン松)製です。「タリスカー」の発酵時間は通常の50時間より長い70時間で行われ、オレゴンパイン製の発酵槽を使用することで独特の風味が生まれます。もともと3回行っていた蒸留は、1928年以降2回に変更され、モルトの風味を生かしています。特徴的な初留釜は、U字型のパイプを通して重い成分を再循環させることでクリアな初留液を得て、フルーティーな味わいを引き出します。また、ワームタブという伝統的な冷却装置を使用し、海水を利用した効率的な冷却システムを導入したことで生産量の増加に成功しています。
おすすめの飲み方
「タリスカー」はスタンダードラインナップが少なく、またボトラーズからのリリースも少ないため、初めて飲む人があまり迷わないで済みます。おすすめの飲む方はストレートまたはロックです。ストレートは「タリスカー」本来の味わいを感じられます。そのため、代名詞である黒胡椒のスパイシー感、潮風の香りをダイレクトに感じられます。氷が溶け出すと味わいに変化が起こるロックも人気です。氷が溶け出した時の「タリスカー」の味わいの変化を楽しみましょう。「タリスカー」は近年ハイボール需要により大人気で、ビートのスモーキーな香りとスパイスな余韻がクセになります。