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2024年07月12日 [お酒の紹介]
【シャトー・マルゴー】もっとも女性的なワイン
シャトー・マルゴーは、ボルドーに約8,000ある生産者の中でもトップに位置する一つです。そのワインは非常にエレガントな味わいが特徴で、「5大シャトー」と称されるボルドーのトップ5の生産者の中でも、特に「もっとも女性的」と評価されています。
歴史
シャトー・マルゴーは12世紀に「ラ・モット・ド・マルゴー」として文献に登場しました。アキテーヌがイングランド王領だった時代、獅子心王リチャード1世もこの地のワインを愛飲していました。1570年代にピエール・ド・レストナックが穀物畑をブドウ畑に変え、ワイン生産を開始しました。18世紀にはワイン醸造技術が進歩し、ルイ15世の治世にはポンパドゥール夫人やデュ・バリー夫人がシャトー・マルゴーのワインを宮廷に持ち込みました。
1801年にド・ラ・コロニラ侯爵が所有し、1815年に現在のシャトーが完成。1855年のパリ万国博覧会で第一級第3位にランクされました。1976年、アンドレ・メンツェロプーロスがシャトーを買収し、ボルドー大学の醸造学者エミール・ペイノーを迎えて名声を回復しました。現在は娘のコリーヌ夫妻が運営しています。
特徴
シャトー・マルゴーのブドウ畑は、優れた排水性を持つ砂利質土壌で、ブドウの根が深くまで伸びることができます。この特別な土地が、ワインに独自の複雑さと優雅さをもたらします。
使用するブドウ品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドなどで、しっかりとした構造のワインが生まれます。ブドウは手作業で丁寧に収穫され、厳選された高品質の果実のみが使用されます。
最適な成熟度のブドウを確保するために、細心の注意を払っています。収量を厳しく管理することで、風味の凝縮した複雑なワインが作られます。発酵にはステンレスタンクとオーク樽を使用し、新しいフレンチオーク樽で18〜24か月熟成させることで、ワインに深みと複雑さを加えています。
また、シャトー・マルゴーは環境保護に努め、持続可能な農法を採用しており、化学肥料や農薬の使用を最小限に抑えています。これらの要素が組み合わさることで、シャトー・マルゴーのワインは優雅さ、複雑さ、長期熟成の可能性を持つ独自のワインとなっています。
味わい
シャトー・マルゴーのワインは、華やかで魅力的な香りと、絹のように滑らかな口当たりを持っています。味わいにはしっかりとしたボディがあり、同時に繊細さも備えています。これにより、飲むたびに複雑で豊かな体験が得られます。
タンニンと酸味のバランスが非常に良く、渋みが適度に感じられます。これらの要素が時間とともに調和し、ワインはより深みを増し、豊潤な風味へと変化します。長い年月をかけて熟成することで、味わいはより一層複雑になり、芳醇さが増していきます。
そのような変化の豊かさから、シャトー・マルゴーはよく美しく年齢を重ねる貴婦人にたとえられます。時間とともにその魅力が増し、エレガントで優雅な存在感を持ち続けることが、その理由です。