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磯自慢酒造

　磯自慢酒蔵（正式名称：磯自慢酒造株式会社）は、静岡県焼津市にある酒蔵で、創業は1830年（天保元年）にさかのぼります。江戸時代後期に創業し、地元焼津の豊かな自然環境と清らかな水を活かしながら酒造りを続けてきました。
　昭和の時代までは、地元を中心に親しまれる普通酒や本醸造酒を主力としていましたが、1980年代以降、日本酒の品質向上を追求し、吟醸酒造りに力を入れるようになりました。特に、兵庫県特A地区産の山田錦と南アルプスの伏流水を使用し、品質を徹底的に追求する方針を打ち出しました。
　平成に入ると、そのこだわりが実を結び、全国新酒鑑評会での受賞や、国内外の評価が急上昇。磯自慢の日本酒は、フルーティーで洗練された味わいが特徴であり、高級料亭や寿司店での提供、さらにはワイン愛好家からの人気も集めるようになりました。また、2008年には洞爺湖サミットにおいて、世界の首脳陣に振る舞われたことでも話題となりました。
現在では、獺祭や十四代と並ぶプレミアム日本酒としての地位を確立し、全国の日本酒ファンから高い評価を受け続けています。創業から約200年の歴史を持つ磯自慢酒蔵は、伝統を守りながらも革新を続け、日本酒の魅力を世界に発信し続けています。

特徴

　磯自慢酒造が造る日本酒「磯自慢」は、蔵元がある静岡県焼津市の広大な海にちなんで名付けられました。その名の通り、海の男たちに好まれる辛口でさっぱりとした味わいが特徴で、焼津港で水揚げされる新鮮な魚介類と抜群の相性を誇ります。
　磯自慢の味わいを支えているのが、静岡県が開発した「静岡酵母」と、南アルプスの間ノ岳から流れる大井川の名水です。これらが合わさることで、まろやかな果実の香りと澄んだ風味が生まれます。麹造りにも徹底したこだわりがあります。総杉造りの麹室で、職人が数時間から数十時間かけて手作業で仕込むことで、静岡酵母との絶妙なバランスが生まれ、磯自慢ならではの独特の風味を引き出しています。
　また、日本酒の味を決める重要な要素である酒米には、兵庫県加東市産の「山田錦」のみを使用。この地域は温暖な気候と適度な降雨量に恵まれ、全国的にも希少な「特A地区」に指定されています。磯自慢酒造はその中でも特に高品質な米だけを厳選し、徹底したこだわりを持って醸造しています。
　さらに、蔵の内部は全国でも珍しい全面ステンレス張り。これにより雑菌の侵入を防ぎ、清潔な環境を維持しています。また、日本酒造りに欠かせない温度管理にも力を入れ、急速加熱・冷却が可能な専用設備を導入。高品質な日本酒を追求するため、惜しみない設備投資を行っているのが磯自慢酒造のこだわりです。

ラインナップ

　磯自慢酒造は、多彩な日本酒のラインナップで知られています。以下に、特に人気の高い銘柄をいくつかご紹介します。
　●磯自慢 純米大吟醸
　　最高級の山田錦を使用し、華やかな香りと繊細な味わいが特徴です。特別な日の乾杯や贈答品としても最適です。
　●磯自慢 純米吟醸
　　フルーティーな香りとすっきりとした後味が特徴で、食中酒として幅広い料理と相性が良いと評判です。
　●磯自慢 本醸造
　　手頃な価格ながら、しっかりとした旨味とキレの良さを持ち、日常の晩酌にも適しています。